セラピストのための開業ガイド|開業届の書き方やポイントについて解説【セラピスト専門コンサルタント監修】
「開業届を出したいけど書き方や提出方法がわからない」
「自宅でセラピストの事業を始めるときの開業届の手続き方法を知りたい」
「業務委託契約での仕事でも開業届が必要かどうかを知りたい」
今この記事を読んでいるあなたは、セラピストとしての独立開業を考えているものの、「開業届の書き方がわからない」とお悩みを抱えているのではないでしょうか。
「開業届を書く」と聞くと難しそうに聞こえますが、作成方法がわかってしまえば、決して難しい書類ではありません。すでに国税庁によって定められたフォーマットが存在しているため、それに沿って記入していくだけで完了です。
そして、大事なのは開業届を提出してからです。本記事では開業届に関することだけでなく、初期投資を抑えるコツや、99%のセラピストが悩む集客のコツについても解説します。
本記事は、セラピスト・カウンセラーが5年10年と持続可能な起業を実現するための専門コンサルタントである私、川越恵(かわごえ めぐみ)がセラピストとして事業を始めるときに必要なポイントを3つお伝えします。
- セラピストの開業届の書き方ガイド&注意点
- 開業1年目のセラピストが初期費用を抑えるコツ6つ
- 開業セラピストが実践すべき集客4ステップ
この記事をお読みいただければ、開業届の提出をきっかけにセラピストとしての活動を今すぐ始めたくなるはずです!ぜひ最後までご覧ください。
ロングセラー起業コンサルタント川越 恵
内定先の倒産をきっかけに起業し、社会貢献事業を含めた3つの事業を在宅経営中。起業して約11年。
著書に『口コミ集客で「一生愛される起業家」になる方法』があり、発売後7日で増刷し、ベストセラーに。
「煽らない、売り込まない、自分の心に嘘をつかない」を合言葉に、クライアントに感謝される「ロングセラー起業」を伝える。
目次
【超簡単】セラピストの書き方ガイド&注意点
セラピストに関わらず、開業届の提出は独立してビジネスを始めるときに必須です。ただし「開業届を出しましょう」と言われても、「どうやって書くの?」「そもそも何を書くの?」と疑問に思いますよね。
ここでは、開業届の書き方や提出方法について詳しくお伝えします。
【引用】国税庁HP 「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
起業には、会社を設立する「法人」と、個人で稼ぐ「個人事業主」の2パターンがあります。独立して個人で活動する場合は、個人事業主として開業届が必要です。ちなみに法人の場合は、開業届ではなく「法人設立届出書」を提出することになります。
開業届は税務署で書くか、国税庁のHPから書面をダウンロードして書くか、どちらかを選びましょう。税務署で書く場合、担当者が書き方などを教えてくれることもありますよ。
次に、開業届の記入項目についてお伝えします。セラピストが共通して記入する項目は次の通りです。
- 氏名
- 職業
- マイナンバー番号
- 屋号
- 提出先の税務署名
- 事務所の住所
- 自宅の住所
- 開業日
- 開業or廃業
- 青色申告承認申請書の有無
- 事業の概要
ここからは、セラピストおよび開業仕立ての人が、疑問に思いやすい事柄について解説していきますね。
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開業届は事業開始から1か月以内に税務署に提出する
開業届は所得税法第229条により、事業を開始した日から1か月以内に提出しなければならないと定められています。……とはいえ、提出日を過ぎてしまってもペナルティはとくにありません。
このときに注意してほしいのが、「事業開始日」=「テナントの契約日」ではないことです。実質的に営業を開始した日のことです。たとえば、SNSでクライアントさんを募集した日や、初めて接客した日を指します。
ちなみに、開業届の「開業・廃業等日」に記載する、事務所等を新設した日は「開業日」を記載します。これは自由に設定できるので、最初のクライアントさん対応をした日などを選んでもよいでしょう。(自由とはいえ、最初の売上が発生した5年後など、不自然な設定はやめましょう)
職業は簡潔に、事業の概要は具体的に書く
開業届で、自分の職業をどのように説明すればよいか悩む人も多いのではないでしょうか。職業欄は単語1~2つ、事業の概要は20文字以内でわかりやすく記載すればOKです。
セラピストの場合は、職業は「心理セラピスト」「エステティシャン」「マッサージ師」と記載すればOKです。事業の概要は「オイルトリートメントを使うマッサージ施術」「エステの施術」など簡潔にまとめましょう。
記載する内容は、税務署の担当者が「事業を展開してもOK」と思われる内容であれば大丈夫ですよ。
屋号は覚えやすく、病院を連想させない名前にする
開業届を作成するにあたって、屋号について悩む人は多いでしょう。屋号とは、「個人事業主としての名前」のことで、法人が「〇〇株式会社」と付けるのと同じ意味合いです。
屋号はつけなくてもよいですが、顧客や取引先からの信用獲得や、屋号名義で銀行口座を開設できるなどのメリットがあるので、屋号はあると便利です。
そして、屋号は覚えやすい名前にしましょう。覚えやすくわかりやすい屋号なら、クライアントさんにも覚えてもらいやすく、自分も書類の作成時に屋号を思い出しやすいです。
しかし、病院や病気を連想させる屋号を付けることは厚生労働省で禁止されています。「○○セラピスト」はOKですが、「○○クリニック」「○○診療所」などの名前は避けましょう。
開業届の控えは必ず保管しておく
開業届の控えは必ず保管しておきましょう。開業して間もないときは銀行口座やクレジットカードの作成、保育園の就労証明書の添付書類として使うことが多いです。
開業届の控えを紛失してしまった場合は、税務署で個人情報開示請求の手続きを行えば再発行できます。個人情報開示請求の手続きをしてから控えの受け取りまでおよそ2週間から1か月程度必要なので、手間を考えると大事に保管しておくことが望ましいです。
ちなみに、電子申告(e-Tax)で開業届を申し込んだ場合は開業届の控えはありません。e-TaxはWeb上で手続きを行う電子申告システムのため、書面を使用しないからです。開業の事実を証明したいときは、e-Taxシステムから受信した受付通知を印刷する方法と、電子申請等証明書を使用する方法の2通りあります。
書面での開業届の控えの提出を求められた場合、e-Taxシステムから受信した受信通知を印刷したものを提出しましょう。
売上額に関わらず開業届は提出する
個人で事業をする場合、売上の有無や大小に関わらず開業届の提出は義務となっているため必要です。開業届を出さない場合、そこで得た売上は「雑所得」となりますが、開業届を出して確定申告することで還付金を受け取れる可能性もあります。
そして開業届を提出するときに青色申告も一緒に申し込むと、赤字を繰り越せるメリットが受けられます。
たとえば、開業したものの最初の1〜2年目は事業がうまくいかず赤字、3年目に黒字になったとします。青色申告を行っていれば「最大3年間の赤字繰り越し」が認められるので、3年目の黒字を前年の赤字で相殺することが可能です。
黒字の場合、税金を納める必要がありますが、赤字で相殺することによって、納税額を帳消しもしくは減らすことができます。
青色申告をするためには、開業届の「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」の「青色申告承認申請書」の項目で、必ず「有」にチェックをつけましょう。ここにチェックを入れることで、青色申告できるようになります。
さらに青色申告には、最大で65万円※の所得控除を受けられるメリットもあります。これとよく似た白色申告の控除額は10万円なので、その差は大きいですよね。
青色申告は記入項目が複雑ですが、青色申告用の会計ソフトを使えば確定申告がスムーズに進みます。税理士さんにお任せする方法もありますが、起業当初は税の仕組みを勉強するうえでも、自力でやるのがオススメです。
※2020年分の確定申告より、紙による確定申告書を提出した場合の特別控除額は10~55万円、e-Taxの場合は10~65万円の特別控除が受けられるようになりました。
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開業1年目のセラピストが初期費用を抑えるコツ6つ
初期投資を賢く抑えることが、セラピスト開業の成功につながるといってもよいでしょう。
セラピストの初期費用は業種や規模にもよりますが、自宅サロンなら20万~40万円、テナントなら300万~600万円程度です。
私がオススメする初期費用を抑えるコツとして、次の6つがあります。
- 最小限の物品調達から始める
- 複数の内装業者から相見積をもらう
- 集客を意識したSNSやブログを発信する
- 無料の予約・決済システムを導入する
- リサイクル品やネット通販を活用する
- 資金が足りないときは助成金・補助金制度などを活用する
物品は必要最小限のものを安く揃えましょう。施術台やチェア、音響機材はリサイクル商品やネット通販を活用するのがオススメです。内装工事が必要なときは、1つの業者に依頼するのではなく、複数の業者から相見積をもらって、サービスの質が高く費用がお得な業者を選びましょう。
開業当初は、予約決済システムや集客はなるべく無料の範囲で抑えましょう。ある程度の収入が得られたら、効率化のためにグレードを上げることを検討してください。
そして、意外と知らない人が多いのが助成金や補助金、節税に関する情報です。これらを知っておくだけでも、資金繰りがラクになったり納める税金を節税できたりします。公開しないためにも、お得な情報を得るためのアンテナは常に張っておきましょう!
初期費用を抑えることで、収入が不安定になりがちな開業1年目のツラい時期を多少乗り越えやすくなります。そして、これがきっかけで無駄なく支出を抑える経営テクニックを身につける人も多いので、ぜひ参考にしてくださいね。
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【コラム】業務委託セラピストは開業届は必要?
業務委託で活動するセラピストの中には、「開業届は必要なの?」と考える人も多い印象です。なかには副業セラピストとして業務委託案件を請け負っている人もいるでしょう。
結論として、開業届は「個人事業主としてスキルアップを目指すなら」必要です。開業届を提出すると、先ほどお伝えした青色申告の特別控除が受けられるほか、次のようなメリットがあります。
- 計上できる経費が増えて節税できる
- 事業用の口座開設で経費管理が簡単になる
- 小規模企業共済で将来に備えられる
- 補助金や給付金を申請できる
このようなメリットから、今後もセラピストの収入を年収50万、100万円……とアップさせたいと考える人なら、開業届を出すべきだといえます。
しかし、開業届を出さないメリットとして「雇用保険で失業手当を受け取れる」「扶養のまま健康保険を継続できる」があります。これらが負担にならないほどの収入を得られるようになれば、開業届を提出した方が無難でしょう。
業務委託契約の内容や条件によっては、労働契約として開業届の提出が求められる場合があります。委託先と契約するときは、開業届の提出の有無を確認しましょう。
廃業経験者も年収1200万円を達成した「リピートされる集客方法」
開業セラピストが実践すべき集客4ステップ
開業仕立てに限らず、セラピストの99%が営業や集客で悩んでいます。長くセラピストの仕事を続けるためには、開業当初からいかに早く「セラピストとして正しい集客ができるか」が重要になります。
集客には新規クライアントだけでなく、リピーターすなわち自分のファンを増やすことが大切です。ファンを増やして収入を安定させるためには、次の4つのステップを意識しましょう。
ステップ1:モニター獲得
ステップ2:モニターから熱量のある感想をもらう
ステップ3:その感想をもとに集客を拡大する
ステップ4:リピーター・ファンを増やす
まずは、モニター(お試し利用)を獲得することです。モニターという名の「小さなテスト販売」をすることで、それが口コミ集客へとつながっていきます。
モニターは、直接の友人や知り合いに「無料体験」などで募集するのがよいでしょう。知り合いではない方がよい場合は、SNSやココナラやストアカなどのスキルマーケットで募集してもOKです。
その後、参加者の方から「熱量のある感想」をもらい、それをSNSやスキルマーケットの投稿やプロフィール実績で紹介します。(熱意ある感想をもらうためには、質の高いサービスの提供が大前提です!)そこから徐々に口コミが広がり、新規顧客の獲得につながるのです。
熱意は伝染しますからね!新規獲得の実感が出てきたら、SNSやスキルマーケットを活用して集客を拡大させましょう。
売上が安定してきたら、リピーターやファンを増やすことに注力しましょう。セラピストの業態には、「リピーター」の存在が必要不可欠です。新規のクライアントさんばかりに偏るのではなく、一人のクライアントと長くお付き合いすることを考えましょう。
長く愛されるセラピストになるために必要な7つのチカラ
そして、セラピストが長く愛されるセラピストになるためには、以下7つの力が必要です。
開業仕立てといえども、クライアントさんからすれば1人のプロセラピスト。あなたを信用して、あなたに悩みを解決してほしいのです。
私が運営している「ロングセラー起業塾」では、この7つのチカラを軸に事業を進めていただいています。長く愛されるセラピストになるためには、ポジション選びや商品作り、金額設定が必須です。これらを早く学び、自分のものにすることで、ロングセラーへの近道が見つかるはずです。
ロングセラー起業塾の内容を詳しく知りたい人は、こちらの記事をご覧ください。きっとあなたのプラスになるでしょう。
【事例】セラピスト集客成功事例 コロナ禍で月商190万、年商1,000万を達成
最後に、ロングセラー起業塾の卒業生の事例を紹介します。紹介する中畑さんは、一時期売上が0になりかけていたところ、学んだことを実践して年商1,000万円を達成した卒業生です。
ロングセラー起業講座受講生:中畑 薫さん
新規のお客様が来られなければ、本当に0に等しいくらいの売上になってしまいそうで、入塾を決めました。
恵先生から教わったことを実践するようになって、1、2件くらいしか月に入らなかったのが1か月に13人も来られたんですね。ライティング力を上げるとこんなにも来てもらえるんだと思うとびっくりしました。
セールスについても学んだ内容を、自分に置き換えてトークを組み立てて行ったりとか、それによって本当にセールスの成約率も変わってきたっていう状態になりました。目に見えて売上が上がっていくっていう、実感していたので凄いなって感じましたね。
あのとき、恵先生のところでお世話になっていなかったら、サロンがこれだけ伸びてくれたとは思えないので、本当に恵先生の所で勉強させて頂いたからこそだと思っています。
大反対していた家族にも応援してもらえるようになり、1周年記念のとき、花束をもらえたのが本当に嬉しかったです。
【まとめ:1分で要約】セラピストのための開業届の書き方について
本記事はセラピストが開業届を出す方法や注意点について、主に次のことをお伝えしました。
- 開業届は事業開始から1か月以内に税務署に提出する
- 職業は簡潔に、事業の概要は具体的に書く
- 屋号は覚えやすく、病院を連想させない名前にする
- 開業届の控えは必ず保管しておく
- 売上額に関わらず開業届は提出する
全体的に開業届に関することをメインに伝えましたが、大切なのは「開業後に仕事とどう向き合っていくか」です。
セラピストの仕事は、クライアントさんがあって成り立ちます。一人ひとりのクライアントさんに熱意を持って施術することで、長く愛されるセラピストへの道が開けるのです。
本ブログでは、今後もセラピストに関して役立つ情報をお届けしサポートしていきます。
私のビジョンは、1人でも多くの起業家に「持続可能な成果」を作り出す支援をしていくこと。本ブログを通して、あなたのお役に立てれば嬉しいです。
このほかにも、カウンセラー・セラピストのための集客に欠かせない秘訣をご紹介しています。
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